真・新たな"エモ"を探る 第一回: キミの歩幅、キモチの振幅
続きを読むはじめに
"エモ (Emo) は、ロックの形態の一種である。英語での発音は「イーモウ」。
精神的・音楽的にハードコアにルーツを持つことから、エモーショナル・ハードコアと呼ばれることもある。" ―Wikipediaこの定義は極めて美しくない、いや、"エモ"くないものであると、どこか筆者は感じてやまない。どこか、納得がいっていない。どこか、得心がいかない。
その欺瞞に満ちた香りの前に、我々は幾度となく煮え湯を飲まされ続けてきた。其処に、安堵を見出してしまった。其処に、呼吸を置いてきてしまった。ここ数年で"エモ・情報"は「エモ・政府」によって操作され激しく錯綜していった。大きな力の前に、我々は全くに無力だった。
だが、諦めてはいけない。既にエモに呑まれてしまった世界になってしまったが、未だ潜む"エモ"の芽を見出していけばよいのだ。
前作の読み切りを経てのシリーズ化。惜しまぬサポートを申し出てくれた各方面の方々には頭が上がらないばかりである。また一歩、踏み出す時―――――
Ictus - "Complete Discography"
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Country Genre Creation Label Spain Neocrust 2004 LongLegsLongArms Distribution Album Information
Type Release Date Compilation 28/04/2014 Tracks (Total Time; 98:18)
No. Title Time Disc I. Los Restos De La Esfera 12:18 I II. Sed De Venganza 16:35 I III. Un Millón De Dedos Aprietan 02:06 I IV. Hilos Que Sujetan El Mundo 03:18 I V. Destruyendo Nuestro Hogar 02:57 I VI. Hambrientos De Un Sol Distinto 07:38 I VII. La Herida Es El Comienzo 04:45 I VIII. Sueño Sin Miedo 09:48 I IX. Imperivm 38:53 II Notes
No. Taken From Type Release Year I. Ictus/Okban Split 2006 II. Ictus/This Thing Called Dying Split 2006 III.-VIII. Hambrientos De Un Sol Distinto Full-Length (1st) 2005 IX. Imperivm Full-Length (2nd) 2007
音源紹介詰め合わせ ~Direwolves/Harakiri For The Sky~
Direwolves - "Ægri Somnia"
フランス産のカオティックハードコアバンドの1st。お洒落というよりはアグレッション成分が高め。
11曲で25分という仕様なので、限られた時間の中で尖ったサウンドを突き刺してきます。
ドラムが終始パンキッシュハードコア然と構えているのでその攻撃性は確かなもの。ただ彼らの魅力は何と言ってもギター陣の立ち回り。心地良いカッティングリフに始まり、
ブラックメタル寄りのトレモロリフ、中にはConvergeを彷彿とさせるモノもあり聴き応えが抜群。激音を撒き散らしながら25分をあっという間に駆けていく、この春先にピッタリな作品。
一昨年のEPもオススメ。時に顔を覗かせる、乾いたメロディに耳を傾けてみてください。
Physical Digital Throatruiner Bandcamp
Harakiri For The Sky - "Aokigahara"
皆さんご存知、とまでいきそうなくらいバンド名が強烈なオーストリア産ポストブラックメタルバンドの2nd。
「変な名前だけど格好良い」というのは今作も同様ですが前作と違い、メロディ回しがより大胆に。
これはライヴメンバーのプロジェクトでもあるAnomalieの影響だろうと個人的に解釈しています。そうは言いつつ、全体的に1stの延長上にあるのでファンの方ならうんうんと頷きながら楽しめる作品です。
ただ例外が2曲目、"Jhator"。1曲目で「こんな感じか」なんてタカを括ってたら良い意味で痛い目見ます。
よもやHFTSが作るとは思わなかった楽曲になっております。どういう曲かは是非購入して聴いて下さい。総評ですが先述の"Jhator"が自分の中の評価を底上げしている状態でして。今年を飾る名曲です。
デプレッシヴな様相の奥に秘められた輝きが光る、五条隆志オススメの一枚!なんでJhatorがつべにないんだ!
Physical Digital Art Of Propaganda TBA?
As I Lay Dying - An Ocean Between Us (2007)
昨年なんやかんやあったメタルコアバンドの4th。まごうことなき青春の1枚。
この4thのリリース前にクリーンVo.兼ベース担当であったClint氏が脱退し、
現在のAILDの要ともいえるJosh氏(通称助手)が加入。まだ彼が垢抜けてない頃ですね。今作では新たに例の「Adam節」を創造する張本人、KsEのAdam氏がプロデュースに参加、
全てあの良くも悪くもブレない楽曲化するのではと懸念もされました。しかしそうはさせじと...
旧ヴォーカル兼プロデューサーであったTimの手腕が光ったわけです。「らしさ」を死守。
おかげで中和されたため、タイトな楽曲を作りあげるAdam節がポジティヴに活きております。
全体的に明るく、爽やかなチューンが駆け抜ける、五条一押しのAILD作品。
構成力や楽曲の完成度などはいうまでもなく5thや6thの方が完全に上ですが、
もう思い出補正で最高傑作だと確信しております。今リメイクしたらとんでもないものになりそう。
楽曲だけでなく、歌詞なんかもすごく分かりやすくてストレート。ラストトラックは名曲ですね。
さて、もうAILDは事実上活動停止状態ですが、残されたメンバーはどうやら新しいVo.を召喚、
別バンドとしてやっていく模様。果たしてプロデューサーとしても一流だったマッチョなしでどうやっていくのか。ヴォーカルなんか捨ててかかってこい
いやもう助手のクリーンメインのバンドにするか全編インスト物語→そうしてポストメタルへ... のどちらかで良かったような。ともあれ応援していきます。
Check This
#12, "This Is Who We Are"
単純なのでラストのピアノでやられます(ナーーーwwwディスイズフーーーウィアーーーwwww
Verwüstung - "Beyond The Watercolor Sunset, We Feel New Life" (2011)
アメリカのブラックゲイズ/ドローンアンビエントプロジェクトの2ndフル。
あのAirs商法でお馴染み、Airsさんのメンバーによるものですが、毛色が少々異なります。
シューゲイザーをより前面に打ち出し、ドローン調とブラックメタルを加味させているのが特徴。そしてこの作品、1曲28分強と中々に実験的なアルバムとなっております。ただし名盤です。
音楽を聴いて泣く、という例の経験をした記憶はあったようなないような感じですが(みじめ)、
この作品ではそれに近しい感覚を覚えたことは鮮明に、というくらいでして。それほどの逸品。序盤は残響ドローンとメロいシンセ、そして女性の訴えかける声明が薄らと伸びます。既にめちゃエモ
そこから情動的に掻き鳴らされるギターと共に疾走パートへ突入、後方ではハーシュヴォイスも。
15分を超えた辺りで哀愁漂うアコギのソロパートに以降、ここから10分弱垂れ流されます。
そしてラスト数分は再び轟音と共に疾走パートへ突入、"エモ"の洪水が襲ってくる構成。
展開こそ実に分かりやすいんですが、何せ胸に突き刺さるメロディばかり。
何か胸に残るやるせなさを浄化してくれる、ほぼ完璧なる作品です。ほぼ、ということで... 実は全体的に音圧が少々薄いのが弱点。上で書いた「轟音」とは何だったのか
夕方、日も暮れようとしている時に流せば破壊力は絶大なはず。本当にこういったジャンルの中でも屈指の作品だと確信しています。ところでこのVerwüstungさん、昨年よりそろそろ解散する意向を示しており、「最後に二枚組の大作をリリースして幕を閉じる」と明言していたにもかかわらず、
そのソースとなる公式Facebookページは消え、活動が全くに不明瞭となっております(Airsでは活動しているようです)。有言実行、お待ちしております。
Deathspell Omega - "Ad Svblimitas"
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Country Creation Genre Label France 1998 Black Metal Norma Evangelium Diaboli Album Information
Release Date Type 01/04/2014 Full-Length (6th) Tracks (Total Time; 44:06)
No. Title Time I. Missa I 08:12 II. A Clammy Altar 03:26 III. Voice, The Tormentor 05:00 IV. Coram Svblimitas 06:47 V. Oversight 01:29 VI. Ad Svblimitas 09:31 VII. Missa II 03:04 VIII. The Vein Of Her Wine 05:39 IX. Carissimi Cor, 00:58