Wolves In The Throne Room - "Thrice Woven", 2017.

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カスカディア勢大御所による恐らく6作目。例の"Celestite"ぶり。

去年は音楽に対する熱がそうでもなかったので、リアルタイム時にはスルーしていたのですが、後に私の師と言うべきかこのような人生へと誘った元凶とも言うべきかなVindsval(敬称略)がFacebookページで絶賛していたので購入。

Daymare印を購入したわけですが、帯には「(バンドサウンドに)回帰」という不穏な二文字が。このワードが使われている時点で危ない気配がしますね。この言葉を用いて大々的に出されたのが例の"Korn III"ですよみなさん。ほんとリメンバーフーユーアー。

しかし、一曲目の前半からかなりカッコいい。「俺たちは生まれ変わったWITTRだ!!!」と叫ばんばかりのメタリックかつデスみあるドゥォッミドゥミ(ゾッリゾリ)なリフ、伴うダイナミズムな展開が要点に置かれており、「うお!?きたかこれ!?」みたいに頭からコンソメスープ(ドーピングでない)がだらだら垂れる始末に。くわえて、この一曲目の前半部分がなんとMV化しており、相まって「マジで生まれ変わってるやん…WITTRはじまったな」となったんですが...

非常に残念。音源ではこのあと、一曲目の残りが続くわけで、しかもなんかあからさまに「あっ!そういえば俺たち、天下のWITTRやったやんな!?」と思い出したかのようなエセリアルパートに雪崩れ込みます。非常に残念。結局、帰ってきた暴君ハバネロが発売当時のウマ辛さなワケがないのと同じです(?) 当時辛過ぎてマヨネーズつけて食べていました。

もちろんそのエセリアルパートも、二曲目以降の「切り取って見る各パート」は流石のクオリティだなとは感じるのですが、それをまとめて一曲単位にしちゃっているためやりたいことの焦点がまるで定まっていません。初聴時、一曲目のショックから立ち直れずそのまま最後まで垂れ流し聴きしてしまいました。

まあ"Celestite"を特別評価するわけでもありませんが、吹っ切れ感で言えば音源の在り方としては今作より"Celetite"の方が圧勝しています。なんか過去と新しく掴んだスタイルをごちゃごちゃにしている感じが否めませんね。

対して、一曲目前半(MVの終わりまで)のようなスタイルの楽曲をアルバム内に並べていたら傑作過ぎて息絶えていたのではという想いも。

WITTRというブランド故に揚げ足をとってはニンニク醤油で漬けて食べている感じではありますが、本当に惜しいなあという感想でした。繰り返しとはなりますが、各パートを切り取って楽しめる方には十分な逸品ではあると思いますので、是非手に取ってみては。

そんなこんなで最近は個人的最高傑作の"Celestial Lineage"を聴いて過ごしています。これも頑固親父くさいですが...
 
 
 

例のMV。めちゃくちゃかっこいいです(このパートは)。