Kuf - "Universe", 2018.

Country Genre Label Type Buy
Germany Electronica/House Macro Full Length Bandcamp

ドイツはMacroからの刺客、前作"Gold"から二年ぶりの新作。スイカ汁ブシャー。

ハウスを基調としたバンドスタイルのエレクトロニカで、ダウンテンポにオーディオサンプルを散りばめた色彩豊かなサウンドが特徴です。前作の時点でおおよそルーキーとは思えぬほどの安定感を見せつけてくれているのですが、今作ではそこから一歩踏み出して更に実験的に。

人力であることをより前面に押し出した、時にジャジーともいえるドラミングとズシンとくるウッドベースのリズム隊の存在感、また、ヴォイスサンプルの種類や使い方がより幅広くなっており、前作の「安定感の確立」と引き換えになっていた、「作品全体でみた起伏のなさ」が克服されています。

ハウスやダウンテンポといった界隈に詳しいわけでもなく、"如何に実験的か"に重きを置く私としては、今作の音楽性へのシフトがたまらなく嬉しい。Linus Recordsさんの紹介文句において、実験音楽の大切な要素とも言える広がるアトマスフィア、つまりは「レイヤード」というキーワードが出てくるのにも得心がいく。一日一回はエクスペリメンタルって口に出さないと死んでしまう私です。月に一度はレイヤード。

ふと思ったのが、ハウスぽたくたちは何を主眼に評価しているのか、という点。もしかしたら、あまりフレームアウトしていない楽曲を並べている"Gold"の方がいい、という方もいるのかもしれませんね。

上記のサウンドの特徴からの総評にはなりますが、全体的にどこか人間臭くなっているのが高評価ポイント。やりたいことをしている、成そうとしているのがサウンド如実に反映されています。是非ともニューウェイヴハウス界のGlorior Belliになって頂きたい(?)

ということで、ハウス好きが、というよりは恐らく実験音楽好きが反応しそうな一枚。アートワークの意味不明さはさておき、個人的に2018年は今作ではじまったなあとしみじみ思い返しております。実に素晴らしい。



演奏映像を観ると、確りとしたライヴバンドなんだなと感じますね。シビれる。来日は一昨年に"Gold"を引っ提げて果たしている模様。次に来たら絶対行きます。ちなみにアートワークのみならず、インナーイメージでも様々なものが≪ユニヴァース≫しているのでフィジカル購入推奨です。