2014年上半期まとめ: 前編

え?もう2014年の半分が過ぎたって?

こんにちは、その事実を決して良しとせず過去にしがみ付き、僻み憑く五条ですレペゼン西○維新 しかし早い... つい最近まで高校生だったような感覚がありますね。
さておき、もちろんこの時期はあの時期、上半期まとめです。とは言っても、過去に消化の意味合いも込めてこっちあっちで紹介してきちゃったんですがね。

それによって変わり映えしないことを防ぐため、せめてスマートな記事にしたいと考えながら書いております。少しテスト的なこともしているので重いかもです。

それでは参りましょう。各カテゴリ(ジャンル)に分けて上半期を振り返ります。それぞれにベストアルバムを置いていますが、それ以外は基本アルファベット順。
この前編では計15作品の紹介となります。また、これは良い意味でも悪い意味でも多くコメントしたいなって作品は"Featured Works"としてまとめてます。

Blackened Works

そう、最初はブラックメタルに限定して取り上げていた当ブログ、そのチョイスたるやセンスしか迸りません。
...なんて言いたいのですが今年は全然入手しておらず。gif化の能力で誤魔化します。

やはり話題になったのはBehemothさん。従来より前へと出たブラック要素、コンパクトでありながら濃度の高い楽曲、特に文句をつけようもない開幕を飾るに相応しい逸品。カスカディアン方面からのエントリーはやはりFalls Of Rauros/Panopticonのスプリット。前者は初聴だったのですが、そのインパクトは凄まじいものでした。物悲しくも琴線に触れるメロディが存分に楽しめます。そしてHarakiri For The Sky。厭世的でお耽美な1stの延長上にありながらも、2曲目の"Jhator"にぶちのめされたのは良い思い出です。上半期ベストソングのひとつですね。Hetroertzen/Dødsengelのスプリットは異教の香り漂うカルティックブラックでやはり悶絶。後者の紡ぎ出す世界観はより深みを増していっています。新作はよ そしてTeitanblood正に地獄。










Featured Works

上記のHarakiri For The Skyの関係者によるプロジェクト、Anomalieさんですが、かなりヘビロテしてました。染みこむメロディが楽しめるブラックゲイズで、一曲一曲が非常にキャッチー。展開もダイナミックで、ドラムパートが良い仕事をしております。力強くもInfinitas、あるいはLantlôsの2ndに通じる、内省的かつ都市的なサウンドを味わえることでしょう。Nine Inch Nailsの"Hurt"カヴァーも要チェックです本家最後に聴いたのいつだ…

そして昨年、そのブラックゲイズ界に新風を巻き起こした大正義Súl Ad Astralさんの2nd。Alcestを彷彿とさせながらも、大胆なメロディ回しや謎にパワフルなヴォーカリゼーションを持ち味としていた前作を経て、今回はよりメタリックな仕上がりに。サウンドも幾分クリアーとなり、くぐもった印象を排除、一音一音が際立つように。シームレスな構成を活かした緩急のある波も抜群に効いています。香るソロもぶちかましてくれるギターワークもそうですが、何よりトレーニングをこなしてさらにパワーアップしたヴォーカルが凄まじい。このバンドの魅力がより際立ったと言えるでしょう。ブラックゲイズという枠をひょいと飛び越えていきましたね。















Best Work: Infestus - "The Reflecting Void"


こちらは一聴した時点でほぼ確定しておりました。地味ックメタルなどと揶揄されている(真偽は不明)ドイツ産ながら、やはりこのアーティストはドギツかった。
ソリッドなサウンドメイキングはより研ぎ澄まされ、前作に散見できたパターン化された展開と、故に生じていた冗長さが払拭されています。
刻まれる輪郭、そのリフは非常に硬質でありながらも、表情を作るギターメロディの手触りは柔らかく、柔と剛(とりあえずこの言葉を使う)が楽曲内で共存しています。
#2など、キラーチューンが序盤から配置されていますが今作のキモは後半楽曲。徐々に純化を遂げつつ、深みへと降下していく彼の意志が伝わることでしょう。
まあ何と言いますか、ラストトラック、"Origin"の途中にあるAndras氏の「オウァッ(オウァッッ!!!」が滅茶苦茶格好良いという話なのです。

3rdはかのVindsval氏も絶賛していたところではありますが、この4thにて更なる高み、いや深みに達したのではないかと思いました。
2012年の冬よりバンドメンバーを招集し、ライヴ活動を行い始めたことも多分に影響しているはずですね(今作は全てAndras氏によって製作されているのですが)
そんなわけで、Behemothを挙げるのもアリだったのですが、格好良さの面でこちらに軍配が。贔屓等抜きで、このカテゴリでのベスト作品とさせて頂きます。

...ジャケがもうちょっとカッコよかったら文句などなかった脳みそイメージは勿体なかったんやなw

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Alternative Works

次のカテゴリはオルタネイティヴ。ということですが、レンジは結構広めにとって解釈しております。
ここではいわゆるポストロック、あるいはシューゲイズといった要素を含む作品も取り扱います。

まずは何と言ってもAlcestさん。完全にブラックの要素など掻き消えましたが、その潔さたるや良し。佳作であることも確かで、煌びやかな光に包まれること必至です。新鋭バンドであるThe Clouds Will Clearさんは、ドイツ産らしいメロディやトレモロを武器にしたEPをリリース。アーバンなSE、憎いピアノなど、暗いポストロック好きには堪らないはずです。そして「あれ?思ったよりも素晴らしくね?」という声を各地に舞わせたSukekiyo。私も例に漏れず、予想以上に驚いた記憶が。どこかレトロでモダンな妖艶さと透き通った芯を魅せる快作。和の様相が巧みに表現されていますね。ほいでツボにハマりにハマったVampilliaさんの企画盤です。Mick Barrのためだけに買ったようなもんだったのですが、収録楽曲全てが個性溢れる良曲揃いで、手痛いしっぺ返しを喰らうことに。中でもツジコノリコさんとのコラボ楽曲の破壊力は抜群!











Featured Works

さて、Alcestさんのビッグウェーブに乗るべくして乗ったものの、あまり人の心を鷲掴みにするには至らなかったLantlôsさんの4thアルバム。今更2ndと比べてしまうのもお門違い、といわせるまでのシューゲイズ/ポストロック化。バンド編成になったこともあり、息衝いたサウンドメイキングが映えております。既発音源との差別化が最も図れているのはこの点で、聴き応えがあると断言できるでしょう。ただ、日和っているのは作風を3rdの延長上に置いた点。これは何とも惜しいもので、サウンドスタイル自体にそこまで面白味が… Alcestのように吹っ切れればあるいは、という感じでした。その微妙なラインの見極めがまた難しいこともわかりますが…

対してここまで取り上げたアーティストの中で最もビッグネームなLinkin Parkさんです。3rd以降は聴いていなかったのですが、先行楽曲がクールだったのと、ジャケが割と格好良いことから購入。いざ聴いてみると予想の少し上を行くアルバムでした。綺麗にまとまっている上、各楽曲を超えて繋がったコンセプチュアルな様相、加えて新鮮味のあるパンキッシュなアプローチを盛り込んだりと、キャッチーさをウリにしつつも未だに前を向こうとしていることがわかる作品でした。対して、チェスターさんにあまり覇気を感じない気も…?















Best Work: Anathema - "Distant Satellites"


奇をてらうと思った?残念、順当にAnathemaさんでした!!!ということで、ある種必然の如くこのカテゴリの頂点に立ったのはこのアーティスト。
前作があまりにも完璧であったがために、我々は果たしてこの新作をどうような顔で受け止めればいいのか... などと発売前からあたふたしていたわけですが、
個人的にはもうこれ以上は望まない、望めない作品となっておりました。今のAnathemaを余すところなく楽しめる作品となっております。

各所でも言われている通り、前半はいわゆる後期Anathema節を炸裂させている形で、後半は新たな境地へと踏み込んだ実験的なアプローチが窺える構成。
前作が皆の手に届く地点で音彩を届けていたとするなら、今作はじっくりと聴いてこそ感じることの出来る、奥深さを差し出している作風ですね。
アンビエントや実験性の強いエレクトロニカなどに慣れていた分、後半の展開に初聴の時点でもすんなりと身体が馴染んでいけたのかなと感じましたが、
人によってはスルメ盤のような扱いが巻き起こるのかもしれませんね。ただ、その戸惑いや新鮮さが味わえるのもポジティヴに作用するはずかと。

何せこのアーティスト、Anathemaにつき。高次元から繰り出される人生の輝き、それも、何か考えさせられるコクのある輝きを放っている名盤!


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竹内由恵アナウンサー、すっごくいい

はい、前編は以上となります。今回はだいぶ順当な、と言いますか、有名どころをピックアップできた記事なのではないのかなと思います。
改めて「せやんなこれは良かったよな」と思い返す用の指標として見て頂ければ言うことなく、「は?つまんねぇ」と思って頂けたのなら興奮致します。

後編は"Post(Metal/Hardcore) Works"、そして"Experimental Works"となります。新鮮さで言うのであれば、次の方が見応えがあるのやもしれません。
あと、ベストソングスの紹介も織り交ぜたいと思っております。作ってる途中に購入しちゃうかもしれませんが…


それでは今回はこの辺で。是非とも、「お前これだけは買っとけ」みたいな名作があれば、コメントなりTwitterなりでご一報下さい。半裸で喜びます下は神秘よな


追記: 後編完成しました!→ 2014年上半期まとめ: 後編