Faures - "Continental Drift" (2014)

複数のアーティストによって構成されたアーティフィシャルアンビエントの1stフルレンス。
シンガポールのElintseekerを始め、Le BergerやPillowdiverのメンバーが関わっています。

固い肌触りというよりは、沈み染み渡る感触を覚えるアンビエントとなっています。
重々しいシンセをベースに、高音で清く鳴り響くそれも導入した階層的手法を採用、
サウンドの寄せ、引きが巧みに表現されています。残響を心ゆくまで味わえる一枚。

2, 3曲目に現れる、平行的なシンセと呼応するようにそっと添えられたピアノが肝。
作中ではノイズパートも少々顔を覗かせていますが、シンセを妨げないように調節されています。
ミニマルな移り変わりでありながら、静かに流れ去っていく情景が描かれていますね。

作風の基盤にElintseekerを置き、どこか重々しく異質な感覚を植え付けるLe Bergirと、
ノイズを始めとした実験的な部分で味付けをしているPillowdiverが作品に華を添えています。

一聴すればピンとくる方もおられるかもしれませんが、日本のHome Normalからのリリース。
上記の階層的手法を採っている作品を多く発表しているので、気になる方は是非。
HN印の音源の中はミニマルな人工アンビエントが大部分を占めているわけですが、
今年中には一風変わったDino Splittini氏の作品もリリースするそうで。個人的にとても期待です。


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