2013年上半期(?)ぽぽぽいぽい Vol.2 ~その手巻き寿司、棚の上に置いといて~

ウェイw

五条です。前回の記事の続きとなるわけですが、そして下宿先に帰ってきたらすぐ書くつもりだったんですが、
いやゆーてアレでやでおまんがなw

ということで予定通り、今回は「フルレンス(ブラックメタル)」の11作品、おまけ5作品を一言二言添えながら紹介。
まだPeste Noire届きません。届いてたら加えるつもりだったね

ではどうぞ。毎度の如く文字が多くて、見にくいかもしれませんが

結局醜いんですがね 前も言ったなこれ

[フルレンス(ブラックメタル)]

        


上段左から、

Acacia - "Tills Doden Skiljer Oss at" [Sweden, Art Of Propaganda], Art Of Propaganda
Clandestine Blaze - "Harmony Of Struggle" [Finland, Northern Heritage], Northern Heritage, Ominous Domain
Deafheaven - "Sunbather" [US, Deathwish Inc.], Bandcamp, Amazon
Pensees Nocturnes - "Nom D'une Pipe!" [France, Les Acteurs De L'Ombre], Les Acteurs De L'Ombre
Sannhet - "Known Flood" [US, Sacrament], Bandcamp, Sacrament, Consouling Sounds

下段左から、

Seth - "The Howling Spirit" [France, Season Of Mist], Bandcamp, Official Store
Skagos - "Anarchic" [Canada, Eternal Warfare], Bandcamp
Slidhr - "Deluge" [Ireland, Debemur Morti], Amazon, Bandcamp, Eitrin Editions
Sul Ad Astral - "Sul Ad Astral" [New Zealand, Pest], Bandcamp
Verwustung - "Tunnel Ghosts" [US, independent], Bandcamp





→→→Comments

・はい、くろこわ音源10個詰め合わせです。私も意地張って「いっちょマイナーどころで埋め尽くして通ぶりたい」とも思ってはいたんですが、
あまり冒険するために回すお金がなかったために断念しました。一回やりたいですホント。I am the Lord of Black Metal...

ブラックメタル、とはいっても、その要素が薄いモノもあります。まあなんとなくでそこら辺は。紹介したい、が先行している節が強いので。

まず旧LivsnekadAcaciaさん。まあex-Shining(Swe)なメンバーが集っていることもあり、安定して、というより思っていた以上の快作。メランコリックドゥームとも形容すればよいのでしょうか、その手の音が好きならば確実、そうでなくてもアルバム通しての完成度の高い「流れ」には恐らく頷いてしまうでしょう。Harakiri For The Skyといい、Art Of Propagandaは良いバンドをかっさらいますね。重々しくも透き通った作風は見事。ラストの展開には思わず声を上げること必至です。

そしてDsOの面々によってフランスに軟禁されているのでは、と実しやかに囁かれていたMikko社長が繰り出すClandestine Blazeの新作。充分に比較できるほど既発音源を揃えているわけではありませんが、近年の作品の中でも要素のバランスがよい内容ではないかと感じます。「新たな段階へ」と社長も言っていた通り、「より雰囲気を纏う」ことで聴き手を楽しませてくれていますが、やはり各所で言われている通り、少し収録時間という意味でも物足りない…。短い…。この路線で是非大作志向のモノを作れば、とんでもない作品が仕上がるのでは、と思っていたり。まあ、DsOがそうはさせないかもしれませんが…。社長に時間あげて

お次は、Pitchforkだけに留まらず、各界隈に顔を出し上半期を賑わせたブラックメタル、否、オシャックメタルの名を欲しいままにするDeafheavenの2nd。1stの時点で如何なく発揮されていた構成力等は無論引き継がれ、「+メロディの色彩」といった様相へ。より耳に馴染みやすくなり、私個人的にも特に文句がないと言ってよい出来ではないかと思います。ブラックゲイズ系統の領域そのものが苦手でない限り、買って損をすることはまずないはず。それにしてもシャレオツ。

続きましてはミュゼットブラックメタルここに極まれり、というよりミュゼットミュゼットしすぎてブラック要素が減退しているようにも感じるPensees Nocturnesさん。2ndの時点で双方の要素が丁度良い感じで均衡していたように思うんですが、ここまで来たらわざとそれ崩したなって感じです。古き良きフランスを伝えてくれる劇場音楽と化しており、実に楽しい内容に。まあ、Peste Noireさんといい、ミュゼット系統はやりすぎるくらいが丁度いいということですかね。余談ですが、同じくフランスのブラックメタルWay To Endさんも同じくLADLO Productionsから新譜を出しており、これまた露骨にミュゼットブラックへと変貌しています。良作ですのでそちらもチェックしてみては如何でしょう。

上段ラストはUSポストブラックの新鋭、Sannhetさんのフルレンス1st。ほぼインスト、Kralliceのフォローウィングともいえるギターサウンドにダイナミックなドラム…、と感じてブックレットを見ればColin Marstonの文字が。仕事人め。ハードコアの要素を含みつつ、アーティフィシャル/ノイズアンビエントを織り交ぜて構成されていることから、確実にライヴ映えするであろうという楽曲ばかり。躍動感を楽しめる一枚。LPで聴く際は是非ベースマシマシでどうぞ。結構話題になったこともあり、以降の作品制作にも期待したいところ。更に化けて欲しいですね。



下段に移りまして、実に9年ぶりとなるフルレンスをドロップしてきたSethさんの5thへ。シンフォニック/メロディックな要素を踏まえた名盤、1stをリリースして以降、徐々に作風をシフトさせてきましたが、ここで(ある意味)完成したかな?と感じました。淡色化、更にはモダナイズドされたサウンドメイキングが明確に分かるように。特徴でもあった粗い音質で流れるように運ばれるギターワークも陰を落とし、「良質なブラックメタルになりました。よくある、というワードを付けないのは流石にアコースティックパートなどに見られるHeimoth氏のセンスが衰えていないことなどが理由ですが、それでも以前在った彼ららしさが意図的に殺されているように感じてなりません。そこが気になって気になって、こうして取り上げた次第です。手放しに評価することは出来ないながら、それでも目を引く作品(個人的)。その意図とやらを、いずれHeimothさんに聞いてみてもいいかな、と思っています。

続いて、今流行りの(?)カスカディアンブラックメタルSkagosさん。とは言っても、カスカディアンというよりはアトマスフェリックブラックという感じに。少し音が洗練されすぎており、1stの延長上というには違いが分かる内容に。30分超の大曲×2という思い切った構成も特徴です。完成度に関しては申し分なく、静と動の波を心地よく切り替えてくれるため、ダレるということはないはずです。カスカディアンの要素を楽しみたいのであれば1stですが、胸を打つ展開が随所に盛り込まれたこちらもこちらで楽しんでほしいと感じる良盤。カスカディアン譲りのメロディは流石の一言です。

今年のアイリッシュブラックと言えば、まあそれは後述するんですが(ネタバレ注意)、ここで取り上げるのは同じくアイルランド産のロウブラック、Slidhrさん。かき鳴らされる不穏なギターリフ、一手退いたハーシュヴォイス、生々しいドラムサウンドが特徴です。メンバー曰くアイリッシュな要素は意図して組み込んでないとのこと。文字通り、ロウサウンドが好きなら思わずニヤリとすることでしょう。所々、我らがBaNらしいサウンドも垣間見れます。比較的コンパクトに纏まった楽曲で出来た1枚、是非DMPからどうぞ(やはり宣伝)。それにしてもこの手のブラックは文字に起こしにくいですな…。語彙、ダメ、絶対。

続くSul Ad AstralさんとVerwustungは以前こちらの記事で取り上げています。正直好みで言えば、ブラックゲイズとしてならばDeafheavenよりSul Ad Astralです。静かな力強さ、大胆さ、楽曲が進むに連れてそれらは顕著になり、8曲目"Persona II: Solar"で最高潮に。ヴォーカルワークも素晴らしく(個人的にはこのバンド屈指の特徴かと)、またこれはどえらいニューカマーだなと。頭打ちに成りかねない飽和しがちなこのシーンもまだまだ分からないなぁと思ったり。そして安定のPest Pro.の仕事の早さである。こういう系統の目利きはやはりペストさん、頭一つ出ていますね。

最後はVerwustungさんですが、良くも悪くも彼らしいといいますか。そこが好きなんですが。ドローンやシューゲイザー等の領域を扱う才は一級品だと私は信じて疑ってないんですが、如何せんこの人、全部一人でやっちゃうよスタイルなもので際立って発現しないという辺りが何とも哀愁が漂う…。余談ですが、次のアルバムでこのプロジェクトは終了するそうです。割と残念です…、最後に素晴らしい作品を期待しています。出来ればフィジカルもお願いします。でもお金ないんだろうな…








→→→Best Work Of


Altar Of Plagues - "Teethed Glory & Injury"
from Ireland, Profound Lore. Amazon

ありがとうAltar Of Plagues
そのドラマティックエビ反りとともに眠れ。

とんでもない作品を仕上げた後、
いや俺ら解散しますんでと告げた、イカしたアイルランダー三人組による3rdにして最終作品。

"THE アトマスフェリック"な既発音源のスタイルから脱却、
ダイナミックかつドラマティックなサウンドから滲み出る狂気のち瘴気がリスナーを纏い、

What is HUMAN?その答えがエビ反りとともにぶつけられています。

とまあ、適当なワード並べましたが、前作までをむむむ?と思っていた私にとってはピヤァァア!でした。その点が賛否両論のソースなのかもしれません。
聴いていてこれほどカタルシスを感じることの出来る音源もまあ滅多にないのでは、と思います。エクセレント!



             Your Journey   Your Terms   Your Choices
                  Thank You.

                                                イイハナシダナー

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

[おまけ音源だよなわかる]

        


左から、

Gianluca Becuzzi/Fabio Orsi - "Dust Tears And Clouds" [Italy, Silentes], Silentes
Morne - "Shadows" [US, Profound Lore], Amazon
Radiation10 - "Bossa Supernova" [France, Collectif Coax], Bandcamp, Collectif Coax
Stone Sour - "House Of Gold & Bones: Part 2" [US, Roadrunner], Amazon
Todtgelichter - "Apnoe" [Germany, Code666], Amazon





→→→Comments

・はい、おまけ音源です。と銘打ってますが、クオリティが云々とかでなく、紹介したかった、10選のところに入れ忘れて後から気付いたなどの理由でご紹介。
そういうん、あるやん? 実を言えば、名前だけでも触れておきたい音源もあるんですが、それはまたあとがきの際に。後回し、好きなんです

最初の音源、またまた贔屓することになりますが、SilentesよりGianluca BecuzziとFabio Orsiのスプリット音源です。過去の音源にリマスターや新たな組み込みを行った音源です。特筆したいのはDisc 1のアメリカンフォークの女性ヴォーカルを組み込んだアーティフィシャルアンビエント楽曲群。このアイデアはファビーではなく、恐らくGianlucaさんによるものなんでしょう。何とも心地よい空間が味わえます。Disc 2は両者のお家芸である長尺アンビエント楽曲が収録されています。

お次はまたまたProfound Loreからの刺客、Morneさん。コンセプトが違ったりする為、前作"Asylum"に見られたメランコリックな側面は減退し、深く重い仕上がりに。今作もピアノやら何やらを駆使して欲しかったもんですが、それでもドゥーム/スラッジの魅力を充分に味わえます。ちょっと短いのがンwですが、この作風であればこれくらいが丁度良いのかもしれませんね。

続きまして、これは通ぶって紹介したかったRadiation10さん。Bandcampをdigってる際にたまたま見つけたんですが、一聴き惚れしまして即購入、という感じでした。即興性の高い現代的なジャズプロジェクトを展開しています。プログレッシヴ、と置き換えてもいいかもしれません。ジャズに関しては全くに疎いんですが、良いと思ったものは良いんです(暴言)。ただただ音の洪水を楽しむことができる一品。

そして、皆大好きコリィ率いるプロジェクト、Stone Sourの実質5th。昨年の"Part 1"も良かったものの、こちらの方がコリィの良さがより伝わるな、と感じます。楽曲もコリィの声を活かせていますし、キラーチューンも前作より多い。2ndや3rdに比べて即効性はありませんが、「やっぱコリィかっけぇよな」を感じることが出来る作品。ストーリーが緻密に組まれてるんですが、如何せん和訳はロウブラックメタルだわだからって訳すの面倒だわでそこまで読めてません。ごめんコリィ。

おまけ最後は、ジャーマンブラック、Todtgelichter(とっとと下痢したー、と読むと覚えやすい)さんの4th。前作からかなりスタイルシフトを行い話題になったものですが、今回もその路線の延長上にある、アヴァンギャルドメタルに。そこまで的確ではありませんが、Ihsahn×Black Sun Aeonみたいな感じです。これまた何気にローテーションしてしまう作品で、冷気轟く初期作品とはまた違う格好良さがあります。というより、ここまで露骨な変化だとこちらも紹介するとき助かったりしますね(余談ですが、Fenの3rd、今年出ましたがあれこそ紹介が難しいと私は感じます)。割ともうブラックメタルじゃないにせよ、アルバムとしての完成度は高いです。

あとがき

・はい、ざっとこんな感じで上半期(+2ヶ月)分を振り返りました。他にも取り上げるべきかなー、とか迷った音源もあります。
それこそFenRotting Christとかですかね。どちらも良盤には変わりないと思います。いやホントですホント。尺(?)の問題ですね。

Noktu社長を思い、Mortifera/Be Persecutedのスプリットも無理やりねじ込んでやろうかと思いましたが、明らか収録楽曲が過去音源だったので…


今回、この記事作ってて思ったのは、「過去に紹介した音源、もう一回紹介しすぎだな」という点でした。ある種不可避ですけど、もう少し何とかならないものかと。
なので、恐らく年末にまたベスト記事紛いのモノを書くとは思うんですけれど、今度は紹介していない、今日以降入手した音源を中心に取り上げていきたいです。

既に新たにレビューしたい音源も決まっておりますし、通ぶって入手したい音源もちらほらあります。お楽しみに。ではでは。









Famine兄貴PesteNoireはよ ここが泉州だからなのかそうだそうなんだな