トーク of 呼び屋 ~香り松茸/味モツ煮~

Hi :-)

おはようございます、五条です。ここ数日で冬感増してきましたね。そろそろ段ボールを重ねて使用する必要が出て来ましたウヒッサミーw


今回のトピック対象は、先日のMardukの激震ツアーや、そして先週末催されたLoud Park 2013等々で割と注目を集めている人たち。

呼び屋さんです。プロモーターと言う方が適切でしょうか。後述もしますが、実際話題になってなければお客さん側が特に気を配ることのない人たちですね。


私はひょんなことからひょんなことになり、某レーベルと少々関係を持っている人間(隠語)なんですが、
日本での宣伝等に加え、所属バンドの来日計画にもほんのちょっと噛んだりしています。ほんのちょっとだけですし、何せ素人の素人なんですが。

どういった形で噛んでいるかと言うと、簡単に言えばレーベルに対して「呼び屋さんを紹介すること」です。本当にそれだけ。
過去に二回ほど、紹介しています。その時の経験やらを、少しここでお話ししようと思っています。

関係者というには全くに遠く、かといって完全に観客側でもない、という自分の立場から見た呼び屋さんについて。
素人なりにも、どういったところに気を置いているか等々ですね。ではでは。

O, Lord, thou the Yobiya...

先んじて言うと、私は呼び屋さんの仕事とは、お金の動きとは… などといったことには門外漢です。そういった人の生の声を常々聴いているわけでもなく…

なので、「どの呼び屋さんが当該バンドを来日に導くにあたってベストなのか」ということは、上記のような業務内容やら定量的な見地では推し量っていません。
本当に悪く言えば「フィーリング」になります。以下は、あの呼び屋さんの話題などを絡めてお話していきます。



9月に上陸し、日本をどす黒くかき回していったMardukやTaake、Carach Angren等々によるくろこわツアー、まだ記憶に新しいところです。
私ももちろん参戦してきました。ほぼ予習なく向かった分、それはそれで偏りなく楽しめたんじゃないかなと思います。写メの9割Mortuusさんですけど。

しかし、TwitterとかいうこわいSNSを使用している方ならご存知の通り、このツアー、もはや中身よりも呼び屋さんが話題になっていました。
その呼び屋さんの名は声高く言うものでもありませんので、以降呼び屋さんBとしますグヘヘw

このBさん、何で話題になったかと言うと、端的に言えばバンドへの待遇が劣悪だったことにあります。
なんでも「もう日本にはいかない」とまで宣言しているバンドもいるそうで…。それほどだったのか、とも思うほどです。

そしてそんなネガティヴな話題がある中行われた上記のMarduk tourでしたが、それこそこの話題のお蔭か、かなり改善されていたということです。
Taakeのメンバーも特に不満なく、また来たいとも言ってくれますし、何より、Bさんサイドも過去の過ちを認め、反省しているとのこと。

じゃ言うことないじゃない、という話ではあるんですが、もうちょっとBさんを絡めて。

待遇の劣悪化って

なんなのか。というより、どうやって起こるのかという話です。個人的に感じているのは

  1. そのバンドの立ち位置や背景等を理解できているか
  2. 敬意を払えているか

この2点だな、ということであり、言うまでもなく最も重要なのは後者になります。


金銭面に関していうなら、そこまで待遇が劣悪かどうかを測る際に重要ではないのでは?と思っています。
大御所だったりすれば話は違ってきますが、今回の主軸はアンダーグラウンドシーンのブラックメタルバンド等々のケースですので、
「あまり儲けはないだろう」というのは両者ともに暗黙の了解的なところがあるはずです。まあビジネスといえばビジネス、きっちりするところはするとして。

Bさんはどちらかといえばビジネス寄りらしく、それも話題の一つになってましたが、
金銭面でサポート"しなかったのか"、それとも"出来なかったのか"、ここが問題なわけでして。

敬意を払ってもてなすのであれば、金銭面でも自然とサポートしようとする気概が出てくることもありますよね、という。


まあ、Bさんもなんだかんだ言って、来日が決定!というところまで持ってくるあたりはすごいなと感じます。私たちに情報が来るときには既に、
「バンド側にコンタクトをとって、やりとりをし、双方とも条件を提示し合い、のち双方ともそれを呑んでいる」状態であり、それを人知れずこなしているからです。


実は一度、某レーベルのバンドを呼んでくれるプロモーターさんを探しているときに、Bさんを取り上げようかとも思っていました。
しかしながら、どうしても思いとどまるところがあります。上記の2点についてです。

1点目は、2点目の前段階という感じでしょうか。単純に言えば、「MayhemとVlad Tepesだと違いますよね」という話。
これは極端な例ですし、そもそもVlad Tepesなんて天地がひっくり返っても来日はしませんが、言いたいことは分かってくれるかと。
とても狭いアンダーグラウンドなハコでMayhemがライヴすることには恐らく違和感があるはず。何故なら、それは認知されているMayhem像と違うからです。
対して、大きなハコでVlad Tepesがライヴを行うのもまた何か違う。もちろん、Mayhemと同列で扱うのは普通に考えて御法度になります。

こういった具合に、主観的な感情、例えばどっちの方が好きかとか思い入れがあるだとかを差し引いて、そのバンドの一般的なファン間での認知度と影響力、ブラックメタルシーンでの貢献の具合等々を理解している上で、誰をどう立てるべきかを理解できる呼び屋さんであるかどうかが私にとっては重要なように思います。
このバンドはあの呼び屋さんであればよく理解してくれているだろう、と、こちらも呼び屋さんを知る必要があり、それは呼び屋さんへの敬意に繋がることに。

単に来日させたらこっちのモノ、とするには一拍置く必要があるということですね。そしてその影響力等を知っていれば、自然と払うべき敬意の形も変わるはず。
もちろんですが、影響力が大きい方により敬意を、というのはおかしな話です。Vlad TepesにはVlad Tepesへの敬意を示す必要があるでしょう。


こういった面でBさんの件では、例え改善されているとはいえ、過去に敬意無くもてなしたことは事実。
そうなると、その呼び屋さんを「はいどうぞ」とバンドやレーベルには率先して紹介しにくいわけでして。良い点は本当に良いとは感じるのですが



で、ここからもちゃんと触れておきたいところです。
上で敬意敬意言ってますが、当然可視的なモノじゃないですし、何より、上記の云々は「観客側にはほとんど関係のない話」です。

なにせBさんは観客側から見れば、ニッチなところのバンドを呼んでくれるばかりかチケットはかなり安いし、何より東名阪だけでなく仙台や福岡まで回ってくれる素晴らしさ満点な呼び屋だからです。文句などぐうの音も出ません。そればかりか観たライヴもとても良いものでしたし。
仮に出るとしても、あまりの待遇に機嫌を著しく損ねたバンドが手を抜いてライヴをしたりだとか、ドタキャンだとかが垣間見れた時のみでしょう。
まあ、一回条件飲んで来日してるわけだし、そもそもプロでっしゃろ、ライヴはきちんとこなしましょ、といえばそれで終わりですが… 彼らも人間です。くろこわですが

そして、この観客側のスタイルというのも当然、自然と形成されるもので、呼び屋に気を回さなかったから悪いだとかどうだとかいうのは全くにお門違い。
あれです、「日本じゃ今でもこんなだけど、外国では既に〜」とかいう文句と似たような感じ。そんなこと言われても俺、観客だもんという話です。



だから敬意やら何やらが表面的に観客側に伝わるモノである必要はないですが、だからこそ呼び屋さんを紹介する立場にいる私のような人間であるとか、呼び屋さん自体が払うべきところだろうなと思っています。敬意を払ったからってバンド側にお金がより入るというわけでもないのでしょうが、その誠意は届くはず。

日本でライヴはアカン、と、そのバンドやレーベルなどに思われることなんてあったりすればもうアウトです。

だからこそ、「呼び屋さんをレーベルに紹介する」というただそれだけのことですら、胃に穴空きそうなほど悩んでました。
幸い、ここがベストだろ!!!という呼び屋さんを見つけられたので、とても清々しく思っている次第なんですが。

こぼれ話ながら、その進捗状況は不明です。何せ関係者というには程遠く… 呼び屋さんが黒子であるなら、俺は一体なんなのだ。キャシャーンですね。

こんな感じで

大してまとめることができてませんが、思いの丈は綴ることは出来たかなと思います。
上記2点を踏まえて、呼び屋さんをピックアップするだけの人間の立場で色々喋くり回しました。

全くの素人ですらこれほど考えるべき点があるというのに、呼び屋さんともなればその忙しさや苦悩等に思いを馳せるだけでお疲れ様です、といった感じでして。
失態等が一切ないということの方が難しいですし、そして過去の失態をいつまでもとやかく言うのもこれまた違う。

まあなんというか、難しいですよねこういう話は。観客側の方であれば、考える必要もないと言えばない。
だからこそ、一服している時とかに、「ああ、呼び屋さんも苦労してんだなー」とか一瞬思いを巡らせると、呼び屋さんにとっても良い手向けになるはず。








誰も死んでませんが