Nehëmah - "Shadows From The Past..."
・Artist Information
Country : France
Creation : 1992
Genre : Black Metal
Label : Avantgarde Music
・Album Information
Year : 2003
Release-Type : Full-Length (2nd)
Tracks are
- Black Wings Over The Walls Of Csejthe (06:42)
- Sønner Av Den Fimbluvetr (05:49)
- The Thousand Tongues Of Medusa (08:19)
- Warlock (06:59)
- Siguilum Sanctum Lycantropia (07:51)
- Shadows From The Past... (03:46)
- Selvmord (08:58)
- Drawn In Darkness (00:48)
Total Time (49:12)
・My Comments I
―フランスのブラックメタルバンド、ネヘマさんの2ndアルバムです。
ネットでNehëmahに関するブログを書いている皆様は、基本1stか3rdをレビューしている様子でしたので、反発して2ndを取り上げてみました(笑デヤァwNehëmahとは、シュメール語で"Lilith"のことを指します。
「リリスって何?ンンン~~~↑↑???www」って方は我らが偉大なる神、Wikipediaを参照してください。宣伝したから金よろwwwとまぁ、ここで説明を終わっても良いんですが、思想至上厨の私はおいそれとスルー致しません。
ちょっと掘り下げてみましょう。掘り下げるトピック("Ideology's Detail")はつまらない人にはつまらないので、AVでも見ながら飛ばしてくれても構いません。
シュッシュ、イ、イクゥッ!!
・Ideology's Detail
―シュメール人、というのは宗教のセグメントにおいては多神教でありました。何せ紀元前3,500年ということで。
で、我らが(以下略 には、「現代宗教のルーツ、んでもってルーツ飲んでゴーwww」とか書いていますが、ここはさして重要ではありません。
そう、多神教であること、つまり一神教、―ユダヤ教/キリスト教とはそもそも基盤が違うということ、ここが重要です。つまりネヘマさんは特にキリスト教について言及しているというわけではなく、リリスの性質も聖書内のモノではないと考えるのが妥当ということです。
1stのブックレットには「このアルバムゥwww 昔の魔女、んで今もなお生きる魔女に捧げますぅwww ハイィィwww」というコメントが付いていることからも、ネヘマさんのイデオロギーはリリス(但し、シュメール文化に息衝く性質と定義する)、
砕いて言えば"Witch"(魔女)に基づくオカルティズムで成り立っているということですね。このように、アルバム収録曲のタイトルだけでなく、アーティスト名を掘り下げるとイデオロギーが見えてくる場合もあります。
皆様が思っている以上に、"名"というモノは強い定義力があるわけですね。
もう少し。
まーオカルティズムということですが、何せ"Occultism"という概念の有効範囲が広いです。ネヘマさんも魔女というキーワードこそ重視していますが、なにせ取り扱う題材の幅が広いところが特徴。
リリックにその題材を含むにせよ、それを暗に比喩している事が多く(これこそが神秘学の醍醐味です)、
題材を見抜けなければただの厨二ワードの羅列と化してしまいます。例えば一曲目、"Csejthe"とはチェステ城の事を指しており、楽曲の題材としてはバートリ・エリーザベト夫人ということになります。
夫人についての知識を得た後に、リリックに目を通すと「ほへー」となる部分が多くなるのではないでしょうか。
…ブラックメタルってそんなモノなのだけれど(笑
・My Comments II
―さて、思想面はちょっと置いといて、サウンド面の話です。よくよく言われるのが、フランス産の割にスカンジナヴィア勢っぽい、という点です。
ハーシュヴォイス然り、ジャリジャリするギターリフ然り、プリミティヴ性の高い少々単調なドラミング(時たまブラストビートもありますが)然り、
一聴するとThe Scandinavian Black Metalというべきサウンドメイキングです。
しかしよくよく耳を凝らせばそうでもないことが分かります。
ギターパートですね。アコースティックギターの多用も目を見張る点ですが、ジャリジャリするリフに被せて秀逸なトレモロリフやメロディを鳴らしていたりもします。あとはリチュアルなSEがよく見られるという点。
2ndは少々少なめで、よりスカンジナヴィア臭が強いのですが(理由は後述)、それでもヌメリと纏わりつくSEはやはりフランス産と言うべき特徴でしょう。
ちょいちょいチャントを挟むのも良い味を出していると言えます。
ベース兼ヴォーカル(及びリリック)担当のCorven氏によると、
「え、あ、ぼ、僕は90年代のす、スカンジナヴィ、ナヴィア勢BMしししか聴くことはな、ないんだ。そ、それをあ、あえて取り上げているのが"Sønner Av Den Fimbluvetr"さ。し、真のブラックメタルってのがが、要求されて、いるる気がす、するからら(以下コミュ障」
ということらしく、故に2ndがよりスカンジナヴィアンブラックっぽいということですね。
こういうことを踏まえて聴いてみると、ハッとする部分も垣間見えるかもしれません。
・Generalization
―やいやい言ってもサウンドは一般的な共通認識下のブラックメタルサウンドとほぼ同一である為、スカンジナヴィア勢が好きでしたら確かかと。
しかし2ndは再三言っているように少々既発の作品に比べ立ち位置が違います。
ですのでまー、オススメとなると音質も段違いでメロディアスで口どけの良い3rdになりますかね。無論フレンチブラックらしさ溢れる雰囲気も醸し出している為、味わいも深いと言えるでしょう。
ジメジメとした音です、これから訪れる梅雨にはうってつけですね。ローションンーーwwwローションンーーwww
・Notable Songs
―Black Wings Over The Walls Of Csejthe
:既述の通り、魅力が音詩ともにあり、ネヘマらしさが光ります。―Siguilum Sanctum Lycantropia
:長尺ながら、ハイライトパートのアコースティックギターの幽玄さには心奪われます。ンンン~~、イクゥッ!!(疲れたので文章が適当)